タイワナビー台湾から

台湾で色々している日本人

個性的な品揃え、眺めるだけで楽しい台北の本屋さん

海外に来て、その土地の本屋さんに行くことはありますか?

これまで海外旅行に来てまで、なかなか書店に足を運ぶことはなかった。やはり外国語の本はあまり手が進まないし(英語と中国語は勉強中だから読まなきゃと思いつつ)、物語や作者の広げる世界にどっぷり浸かりたいなら、日本語だろという想いが心につよくあった。

 

だけど、台北に引っ越してから、よく本屋さんに行くようになった。そして海外に旅行や仕事で行く際にもちょくちょく本屋さんに寄るように。これは自分なりの本屋の楽しみ方を台北で知ったからだ。

 

台湾の本屋さんは面白い、本屋先進国!

まずやはり台湾の本屋事情を語るときに欠かせないのが、「誠品書店」!台北に来て一番先に知った書店がこの「誠品書店」。台湾人の友人に24時間営業している本屋さんが有るということで案内してもらった。

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シックな内装と展示方法はあの日本の蔦屋書店にも影響を与えたとか。

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広々した店内とシックで落ち着いたインテリア。そう、歩くだけでも気持ちがいい。そしてここでは立ち読みではなく、座り読みOK。みな一心不乱に本を座り込んで読んでいる風景が日本とは違う。

また他にも面白い点が、台湾には文庫本がない。基本的に書籍といえばハードカヴァーになる。だから装丁を眺めるだけでも楽しい。結構凝ったデザインのものが多い。日本の文学作品も多く翻訳され出版されているが、日本版とは違った装丁を見るのもまた新鮮だ。

大手書店だけでない、独立系書店という新しい波

そして台湾の面白い書店事情はこのような大きな書店だけにあるのではない。最近では独立系書店という、品揃えやジャンル分けに書店員がこだわりを持ったいわば「本のセレクトショップ」的な書店が多くなっている。京都の恵文社のようなイメージだ。

恵文社一乗寺店

中国文学界は広い。もちろん本土、そして台湾、香港など中国語の本はいろんなところで出版されている。だから書店のセレクトも台湾だけにとどまらず広範囲に及んでいるところが面白い。

ここでは台湾の出版や書店情報が詳しく書かれている。

motto-taiwan.com

個人的におすすめの書店:閱樂書店

松山文創区という公園と展示場、文化施設が一緒になったスポットの中にある「閱樂書店(ユエユエ書店)」。公園内の小さな池の麓に有る緑色の外観が目印。

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毎日のように読書会やアコースティックライブが行われている。イベントが頻繁にある書店は今まで私の周りにはあまりなかったので新鮮だった。

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ここではスタッフの男性と話す機会があった

書籍のセレクトはすべての書店員が責任を持ってやっているのだそう。また読書会、講演会などの企画も自分たちの手でしている。目がまわるくらい忙しいけれど、本が好きだから。このようなことを語ってくれた。ここの書店は台北の独立系書店の中でも売上が良いそうだ。居心地の良さと、書籍セレクトのセンスは中国語が母語ではない私でもよく分かる。

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また美味しいコーヒーを飲みながら、買った本も店内で読める。ゆっくりとを本を楽しむ工夫があらゆるところでされていると感じた。

 

世界どこでもスマホの普及で本の存在感はますます薄くなっている。少しの空き時間に手が伸びるのは、本ではなくスマホになった。そして本屋ではなく電子書籍屋を利用したり、またはアマゾンのようなインターネット書店で本を選ぶという機会も増えた。

 

でも台湾に来て、改めて本屋の存在意義ってなんだろうと考えるようになった。台湾では基本的に交通公共機関に乗っている時間は少ない。地下鉄に乗っても15分そこそこだ。だから本を読むと言うのは自分で時間を作って「さぁ読むぞ」と始める必要がある。

だからこそ面白い本を読みたい、新しいものに出会いたい、自分を知らない世界に連れていきたい、こんな気持が強くなっているのだと思う。

jp.junkudo.tw

ちなみに、日本語環境を離れて初めて「日本語を渇望」するという体験をした。小さな書店では有るが、店内全てが日本語本の淳久堂には本当にお世話になっている。台北在住の日本人のオアシス。国父記念館の近く。