海外在住の日本人必見!本格的な日本料理店の見つけ方
私は台湾に住んでもう一年半ほどになる。台湾にきたばかりの頃はここの料理に魅了され、毎日のように中華料理や台湾料理を食べていた。でもやはり日本で生まれ育った者として、無性に日本料理を食べたくなることがある。
「和食」は今や世界的にも人気のある料理のジャンルで世界どこでも食べることが可能となった今、「日本料理店」自体を見つけることは難しくない。しかし懐かしい日本の味を楽しめると胸をはずませ、箸を口に運んだ瞬間になんだか苦笑い、切ない気持ちになった人も多いのではないだろうか…。
「これは和食じゃなーーーーーーい!」と心の中で叫びながら。
台湾の和食事情 溢れる「日式」の文字
台湾は昔日本の統治を受けていたこともあってか、日本料理の影響を強く受けた食文化を持っていると思う。また世界で一番日本料理が好きだと思う。中国語で「日本風」のことを「日式」と表記する。街を歩いて見るとあるわあるわ「日式」の文字。寿司やしゃぶしゃぶ鍋、焼肉、焼き鳥、そしてスーパーや美容室、マッサージ屋さんまで「日式」がついている。街の中の至る所で日本料理を気軽に食べられる国は、台湾特に台北が世界で一番なのではないだろうか。
そして台北の日本料理店はなかなか美味しい。日本の駐在員が多いことから、日本人板前さんもここで数多く出店しているし、日本で料理の勉強をしたという台湾人板前さんにもよく会う。
でもでも(声を大にしていいたい!)、台北の日本料理の多くは
「なんか惜しい、なんか惜しい分悲しいのだ」
もしとてつもなく日本人が思う日本料理からかけ離れていたら、まったく新しいものとして受け入れることが出来る。カリフォルニアロールとか。おお、こう来たか!とその飛躍を逆に楽しむことが出来る。
似ている、でもなんか違う。こんな場合は日本食への想いがよりいっそう強くなってしまうのだ。
本格的な日本料理はある料理で簡単に見分けられる!
海外在住者、または長期旅行中の際に日本食が恋しくなったとき、店である「食べ物」を注文して欲しい。それでこの店の板前さんが日本食をどのように捉えているかが分かるからだ。
その注目すべきポイントとはズバリ「寿司」である。
海外の日本食レストランはだいたいごっちゃ混ぜであることが多い。
つまり、焼き鳥・寿司・味噌汁・天ぷら・うどん・ラーメン・カレー・とんかつ
思いつく日本料理をすべて詰め込んで見ました的なレストランが非常に多い。
そして多くのレストラン店主、またはシェフが真っ先に思いつくものとして、「寿司」はほとんどの場合メニューとして存在する。
実にシンプルな料理。「寿司」。
そう、酢飯を握りその上に魚の切り身を乗せればいいのだ。だからこそ日本料理への考え方が一目瞭然になるのだ。
一口で分かる、海外の寿司はここが違う
注目して欲しいポイントは、ネタの鮮度ではない。上にのっているものを無視してもいい。ただご飯、そう「シャリ」だけで、店主の考えのすべてが分かるのだ。
ただご飯を握ればいいってものではない!
海外で食べる寿司と日本で食べるものの決定的な違いは「シャリ」であると断言できる。海外の寿司はシャリが固く、まさしくお母さんが握ったおにぎりなのだ。遠足の際に弁当箱の中で崩れないように一生懸命握った母のおにぎり、それくらい寿司のシャリが固い。
だから、白米の量が刺し身と比べて多いし、口の中でご飯だけが残る。また大量の白米を握って圧縮された寿司は2個ほど食べると、もうお腹いっぱいだ。
簡単にそうに見える寿司のシャリ握りも、実は多くの工程を経ている。そのことを意外に海外の人は知らないのだと思う。いくら上に乗っている具材が高級素材でもシャリが固いと本当に悲しい。あ〜刺し身にすればよかったと思う。
見えない部分、基礎を大事にするお店
シャリが美味しい日本料理は見えない部分にも気を使える良店である可能性が高い。なぜなら日本料理はやはり下ごしらえが命だと思う。そしてシャリにまで目が行く店ならきっとその他和食のダシや細部にも気を使っていると思うからだ。
ちなみに台湾では誰もが知る5つ星ホテルの和食レストランでも、「おにぎり寿司」が出て来る。意外に路地奥にひっそりある和食店がいい寿司を出すので侮れない。本格的な日本食が恋しいあなた!ぜひぜひ寿司を一番最初にオーダーをして、レストランの心意気をチエック!
やっぱり、すごいね。日本の職人さん。